sisters
シアタードラマシティーから帰宅中。いやはや、すごいなー、長塚さんは。これだから観劇もライブもやめられないし、遠征もしちゃうんだ。
パルコ・プロデュース公演『SISTERS』
作・演出:長塚圭史
[出演]
松たか子 鈴木 杏 田中哲司 中村まこと 梅沢昌代 吉田鋼太郎
企画・製作:(株)パルコ
まだまだ心が騒いで全然まとまりませんが、とりあえずこの気持ちは残しておきたいので書きます。自分の気持ちのままに書くので非常に抽象的になってしまうかもしれませんので、その辺は読み飛ばしていただけるとありがたいです。内容にも触れてしまいますので隠します。
こうきたか、というテーマ。そうかー、そうかー。
過去の体験ですごく不安定な妻の松さん。メタルマクベスの時もそうだけど、豹変する表情とか声とか本当にすごい。そして松さん夫婦が滞在するホテルに親子で住んでいる娘役の鈴木杏さんもすごかった。父親との秘密を抱えている故のエキセントリックな様子がよく伝わります。言いたいけど言えないけど言いたい、ほのめかしたい、正当化したい、でも言えない…こんな感じ。
こんな杏さんに松さんは自分の過去とか亡くなった妹の姿を重ね合わせてしまい、話がどんどん進んでいく。
そして衣装。冒頭の松さんの白いブラウスに紺のスカート。そこに鈴木さんの真っ青のワンピース。場面が変わり松さんは黒のカットソーで鈴木さんが真っ赤なワンピースと色の対比もすごく印象的。
内容はやりきれなくて、どうしても松さんや鈴木さん女性陣に気持ちが入ってしまい、胸がズキズキ刺される感じ。
父役の吉田さんとか叔父役の中村さんとか、いやーな感じだし。でもうまいんだなぁ、これが。
過去になったり心情の内側の場面が出たりと、全体の流れや時間軸が入れ替わってもそれが不自然ではなく、それにより徐々に本当のことが見えてきて、どばーーーーんとラストに向かっていきます。
最後の台詞に全てが救われました。全てが不安定な登場人物の中で、ただ1人ぶれが少なかった田中さん演じる夫。もしかしたら松さんの狂気に引きずられてしまうかもしれないかも…という想いがないではないけど、あの声は大丈夫な気がする。
「帰ろう、我が家へ」
そんな救いを残してくれたので、大丈夫。それにしてもすごかったなぁ。もうこの感想が精一杯。
ああ、もう1回観たい!8月のお芝居はどちらも私には大きかったです。